「愛」と「人生」を真正面からとらえ本質を鋭くえぐり出す
世界から注目される現代の奇才・深田晃司監督の最新作
「愛」がつく映画は数多くある、「人生」がつく映画も数え切れないほど存在する。けれど、その両方をタイトルに掲げた映画はそう多くはない。
「愛」と「人生」がタイトルに付くこの映画『LOVE LIFE』は、音楽界のレジェンド的存在として輝き続ける矢野顕子の名曲「LOVE LIFE」から生まれた。
人は、誰しも孤独を抱えて生きているのに気づかないふりをして平気を装っている。見て見ぬふりをしてきた「孤独」を突き付けられたとき、その孤独とどう向きあうのか。そして見えてくる、愛するとはどういうことなのかという普遍的な問いかけ。これは、ひとりの女性をとおして「愛」について「人生」について描いた物語。
「どんなに離れていても 愛することはできる」という歌詞から始まる「LOVE LIFE」を独自の視点で新しい映画として生み出しつなげていくのは、世界から注目される現代の奇才・深田晃司監督。人間の本質をするどく捉え人々の心の奥底にある心情をあぶりだす演出と、そこから生み出される作品は、海外の数多くの映画祭で高く評価されている。
『淵に立つ』は、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞。『よこがお』は、日本国内の公開が20館程度だったのに対しフランスでは最終的に800館での上映が実現するなど、海外の絶大な評価によって日本での注目も高まっている。そんな深田晃司監督がコロナ禍を経て「愛」と「人生」に向きあい生まれた映画『LOVE LIFE』は、私たちにどんな新しい視点を見せてくれるのか、どんな感情をもたらしてくれるのか──。
また、深田監督とは初タッグとなる主演の木村文乃。これまで以上に卓越した演技を求められた木村は、複雑な愛を抱えた妙子という難解な役に真っ向から挑み、新しい一面を開拓してみせた。
愛する夫と愛する息子、幸せな人生を手にしたはずの妙子に、ある日突然ふりかかる悲しい出来事、そこから明らかになる本当の気持ち。そして彼女が選ぶ人生とは……。