ふかだ・こうじ/1980年生まれ、東京都出身。1999年、映画美学校フィクションコース入学。2005年、平田オリザ主宰の劇団・青年団に演出部として入団。10年、『歓待』が東京国際映画祭日本映画「ある視点」作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞。13年、二階堂ふみ主演の「ほとりの朔子』が、ナント三大陸 映画祭グランプリ&若い審査員賞をダブル受賞。16年、「淵に立つ」が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。18年公開の『海を駆ける』で、フランス芸術文化勲章「シュバリエ」受勲。ドラマ「本気のしるし』(19/メ~テレ)を再編集した「本気のしるしTVドラマ再編集 劇場版》』は、第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection 2020」に選出された。
矢野顕子さんの「LOVE LIFE」を初めて聴いたのは二十歳の頃でした。
「なんて美しい歌、美しい歌詞なのだろう」と心震える思いで、矢野顕子さんの多くの歌がそうであるように、言葉のひとつひとつが重層的な意味を持ち、様々な解釈を許してくれました。「LOVE LIFE」を何度も聴くうちに、自然と一本のシナリオが思い浮かびました。ある夫婦の話でした。そして、どうしたらその物語とともに最高のかたちで「LOVE LIFE」を映画館に響かせられるかばかりを考えるようになりました。それから20年が経ちました。しぶとく企画を持ち歩き続けていたら、多くの仲間の力を得てこうして映画化することができました。自分は幸せ者です。
今回、主演の妙子を演じてくれた木村文乃さん、夫役の永山絢斗さん、砂田アトムさんとは初めてのお仕事でしたが、まるで彼らのために書かれた脚本であるかのようにとても自然に役と重なり、映画を豊かに牽引してくださいました。
三者三様の決して簡単ではない役を一緒に作り上げていったリハーサルの時間は私にとっても大切な時間となりました。一本芯の通った木村さんの強さをこの作品で皆さんにも感じ取って頂けるのではないかと思います。永山さん、砂田さんという稀有な個性を持つ二人の俳優と木村さんのアンサンブルを現場で一番楽しんでいたのは私自身です。今はただ、このワクワクを早くスクリーンの前の皆さんにお届けしたい気持ちで一杯です。
やまもと・ひでお/1960年生まれ、岐阜県出身。『殺し屋I』(01)などの三池崇史作品、『記憶にございません!』(19)などの三谷幸喜作品ほか、数々の話題作の撮影監督を務める。『HANA-BI』(98/北野武監督)、『ホワイトアウト』(00/若松節朗監督)、『フラガール』(06/李相日監督)、『THE 有頂天ホテル』(06/三谷幸喜監督)、『ステキな金縛り』(11/三谷幸喜監督)、『罪の声』(20/土井裕泰監督)で、日本アカデミー賞優秀撮影賞を受賞。近年の作品は『そして、バトンは渡された』(21/前田哲監督)、『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』(22/西谷弘監督)。
わたなべ・だいち/1981年生まれ、東京都出身。『るろうに剣心』シリーズ(12・14・21)の全ての装飾を手掛け、大友啓史監督から絶大な信頼を得ている。ほか装飾を担当した作品は、『クローズEXPLODE』(14/豊田利晃監督)、『海月姫』(14/川村泰祐監督)、『世界から猫が消えたなら」(16/永井聡監督)、『3月のライオン』(17/大友啓史監督)、『億男』(18/大友啓史監督)、『すくってごらん』(21/真壁幸紀監督)。美術を手掛けた作品は、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17/石井裕也監督)、『密使と番人』(17/三宅唱監督)、『鈴木家の嘘』(18/野尻克己監督)、『狼煙が呼ぶ』(19/豊田利晃監督)。
やの・あきこ/1976年、アルバム「JAPANESE GIRL』でソロデビュー。以来、YMOとの共演など活動は多岐に渡る。rei harakamiとの「yanokami」、森山良子との「やもり」をはじめ、上原ひろみ、YUKIなど、さまざまなジャンルのアーティストとのコラボレーションも多い。2020年、三味線奏者の上妻宏光との新ユニット「やのとあがつま」を結成し、アルバム『Asteroid and Butterfly」をリリース。同年9月にはNYと日本でリモート録音した楽曲「愛を告げる小鳥」を配信限定リリース。また、宇宙飛行士・野口聡一氏との対談による書籍「宇宙に行くことは地球を知ること』(光文社新書)が発売中。21年7月にソロデビュー45周年を迎え、8月にアルバム『音楽はおくりもの」をリリースした。
1991年10月25日リリース、12枚目のアルバム。
「LOVE LIFE」他 全10曲収録、
今年9月7日アナログ盤でのリリースが決定。